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ダウン症の娘とまわる 西国三十三所 観音霊場④
西国33か所をもう一組の親子と一緒にまわっている。
ゴールデンウィークが明けすぐ、中学の開校記念日を利用して京都へ。
まわった札所は3か所。
第19番札所 革堂 行願寺
第18番札所 六角堂 頂法寺
番外札所 花山院菩提寺
まずは、19番札所 革堂 行願寺
西国33所は辺鄙なところにある大きな寺が多いのだか、ここは、街中のT字路にあるこじんまりとした寺。
出家前は狩人で、開基でもある行円上人は、射止めた鹿の腹で子が生きているのを見て殺生の罪深さを知り仏門にはいったとされている。行円は、いつも鹿の衣を着ていたため、「革上人」や「革聖」とよばれていた。だから、ここは、革堂(こうどう)で知られているようだ。
寺を出ると・・・
パンの焼けるいい匂いにひかれて、進々堂へ。一個ずつ買ってパクリ。
私は、五色豆のパン、娘は、クリームの入ったパンだった。
ちょっとお腹がすいていたので、より美味しくいただいた。
次は、 18番札所 六角堂 頂法寺
ここも、19番札所同様、街中。周りにビルが立ち並ぶオフィス街。
この本尊への供花がいけばなの始まりとされていて、「華道家元 池坊」となったようだ。 古来より、この寺の住職は、代々池坊の家本が務めているらしい。
知らなかった・・・
京都の中心を示すといわれる六角の「へそ石(本堂古跡の石)」
もっとしっかり見て、「へそ石餅」いただいてくればよかった・・・残念。
祇園か河原町をちょっと歩いてから帰ろうかと思ったが、雨がぱらぱらしていたし、車だったので、三田市にある番外札所へよって帰ることにした。
番外札所 花山院 菩提寺
かなり急な山道を登る。
歩いてまわっていた人のことを思うと、まさに修行だなと思う。
車を降りると、新緑が美しい山の中にぽつんとある寺の空気は違う気がする。
山門をくぐり、後ろを振り返ると紅葉の緑が美しい。
娘、手を清めることは、絶対に欠かさない。
これが、本堂。
花山法皇は、西国霊場中興の祖と仰がれているため、ここは、西国札所では格別の存在だと言われている。
藤原氏の権力争いに巻き込まれて出家した花山法皇は、西国観音霊場を復活させたあと、この寺が気に入って隠棲生活を送っていた。(しかし、入山から5年で崩御されている)
本堂の左手には、「幸せの七地蔵」というのが置かれていて、こんな文言が。
”幸福はまず家庭から、そして自分も世の中も幸福になるようにそれぞれのお地蔵さまが差し出す救いの御手を両手でしっかり握って、自分の役割を全うできるように「お力」を頂戴してください
また・・・・・・(後省略)”
多くの人が握られているのだろう。差し出される手は、ピカピカになっている。
”子供地蔵 持ち物 系図
人として天からいただいたこの生命(いのち)を大切にして幸せいっぱいに生きます。
私にお地蔵さまのお力を与えてください。私の未来に幸せをお与えください。” と書いてある。
読み上げたり、復唱するのは苦手たが、自分なりにお願いごとや感謝の言葉を述べるのは得意なのである。ぶつぶつ言いながら、手を握っている。彼女のすごいとこだなと思う。
雨の夕刻、寺にいるのは私たちだけ。
「展望台から見る秋の早朝の景色は、まさにこの歌の通りで美しい」と住職から差し出された写真を見ながら、西国をまわりきったら、また来たいと思ったのであった。
ご詠歌 有馬富士 ふもとの霧は 海に似て 波かときけば 小野の松風